汽水域研究会静岡大会報告

汽水域研究会静岡大会報告   〜写真で見る静岡大会〜【浜松市】【静岡市

 第8回汽水域研究会は、20161089日に、ふじのくに静岡県を舞台として開催されました。静岡県には、日本一高い山富士山、日本一深い湾駿河湾はもとより、汽水湖の中では日本一周囲長が長い浜名湖があります。今回は、1日目を浜松市内、2日目を静岡市内の2会場で開催することになり、さらには両日とも別個の公開シンポジウムが企画されました。この2会場開催は、研究会の大会としては初の試みとなります。

 1日目は、大会に先駆け浜名湖バス巡検が行われました。浜松駅に集合してからバスに乗り込みました。朝方まで雨でしたが、集合時間には雨も止み、幸先の良いスタートが切れました。浜松市は、楽器、自動車、ウナギ、家康などの特徴がある街で、人口約80万人と県内では最も人口の多い政令指定都市です。浜名湖はそのような都市近くに位置します。姫街道を走り抜け湖北部に到着した後は、浜名湖を見ながら南下し、太平洋と繋がる今切口近くまで移動し、1日目の会場となる「静岡県水産技術研究所浜名湖分場」に到着しました。付帯施設である浜名湖体験学習施設「ウォット」を見学し、浜名湖の生物などを直接観察することができました。

 國井秀伸会長からの開会挨拶の後、シンポジウムが始まりました。今回の2シンポジウムのキーワードは、國井会長の講演発表要旨に述べられているように、「生物多様性の保全と持続可能な利用」です。1日目のシンポジウムは、生態系サービス特に供給サービスの視点からの企画「浜名湖の恵みを次世代に残すために」で、6題の講演がなされました。フィールド巡検、生物観察、シンポとたっぷりと浜名湖を堪能しました。総会終了後、一行は乗り慣れたバスを利用して、次の会場である静岡市に向けて出発しました。1時間半のちょっとした旅の後に、静岡づくしの懇親会へ突入し大変盛り上がりました。

 2日目の会場は、今年オープンしたばかりの「ふじのくに地球環境史ミュージアム」です。百年後の静岡が豊かであるために、を活動テーマに掲げ、来館者自らに考えさせる工夫が満載の博物館です。午前中は、同館のフロントヤードからバックヤードをたっぷりと見学熟知し、参加者各々がミュージアム博士となりました。昼時間を利用して、講堂前スペースにて10件のポスター発表がなされ、活発な意見交換が行われました。

 午後からは、安田喜憲館長からの開会挨拶の後に、生物多様性の保全の視点からの企画「静岡から考える沿岸域の生物多様性とリスク」シンポジウムが始まり、5題の講演がなされました。安田館長も参加される中、突っ込んだ議論が行われました。

 今回の静岡大会では、延べ参加者は76人(初日30人、二日目46人)で、遠州の国から、駿河の国への移動もありながら、無事に終了することができました。これも、会場を快くお貸し頂いたふじのくに地球環境史ミュージアム、静岡県水産技術研究所浜名湖分場、大会運営にご協力頂いた参加者の方々のおかげです。この場を借りて御礼申し上げます。

静岡大会実行委員会 山田和芳・岡本一利

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